「人気が出てチヤホヤされると、すっかり有頂天になってしまいました」 | ナフ

「人気が出てチヤホヤされると、すっかり有頂天になってしまいました」


発言者:快楽亭吉笑

出展:第9集『再会の丼』



 人間は、ことさらインターネット上で何かをやろうなどと思う人間は、初手に到る動機の一つとして、またはモチベーションを爆発させる火薬庫として「褒められたい」「ちやほやされたい」「もてたい」などを否定するわけにはいかないことと思います。「認められたいから」「存在を肯定してほしいから」といかにもそれっぽく言うことも出来ますが、当サイトでは、これらに類型するものを便宜上、「チヤホヤ」と統一することにします。

 僕も「書かないわけにはいかないから仕方なく書いている」とは言っていますが、「褒められると嬉しいから、また書く」がまるで無いかといえば嘘になります。というより相当あります。褒め、チヤホヤし、好くことは、この世界中を覆った電子網を維持するために重要なのであります。チヤホヤは世界のバランスを取っているのであります!

 しかし、チヤホヤは転落への第一歩でもあります。誉めそやされ天狗になり、自分を見失い駄目になってしまった人間の例は、幾千に及ぶか想像もつかないほど巷に溢れており、枚挙に暇が無く、わざわざここで挙げるまでもないでしょう。

「褒められると伸びるタイプ」を自認し吹聴している人間は多いですが、「褒められると調子に乗る」で終わってしまうケースの何と多いことか……。かといってチヤホヤしないと不機嫌になるし、「アイツは全然分かってない」と陰口を叩かれるし、見る目が無いといわれるし、リンクは切られるし……。大変です……。

 私見が延々と続く展開になってしまい、「邪悪そのものだわ」の本分から大きく外れてしまったので元に戻します。

「人気が出てチヤホヤされると、すっかり有頂天になってしまいました」

 この台詞のコアは「反省」です。「昔は調子に乗っていたけど今は”反省”しているので”助けてほしい”」ということなのです。世に悪人は多いですが、反省したうえに涙ながらに頼られたら心が動かない人間はそうそういないはずです。この場合、あなたが本当に反省しているかどうか、実際に調子に乗っていたかどうかはあまり関係ありません。いかに切々としているか、いかに相手の琴線に触れる名演技をすることが出来るか、が重要です。相手も演技だと看破していたとしても、頼られて悪い気はしないはずです。

 窮した際の起死回生の一手としてお試しください。